料理のレパートリーは自分で増やせる  シンプルで超簡単な方法
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料理のレパートリーは自分で増やせる シンプルで超簡単な方法

自炊を心がけている、または、これから料理を頑張りたいと思っている人の中には、「料理のレパートリーが増えない」「料理がマンネリ化しがちで飽きてしまう」という悩みを持つ方も多いですよね。

頑張ってレシピサイトを見て作ったり、料理教室に通っても、その時作ったきりで2度とつくらない…

その結果、1度しか使わなかった調味料や料理本が増えてしまっては、レパートリーが増えるどころか、だんだん料理をする気もなくなってしまいます。

結論から言うと、

無理につくれる料理の手法を増やそうとするよりも、自分が普段食べている料理、好きな料理を分析した方が、レパートリーは増えます。

この記事では、こどもの頃から独学で料理研修をはじめ、今ではレシピ作成やスタイリングなどの料理の仕事もしている私が、料理のレパートリーの増やし方について、

・なぜ料理のレパートリーが増えないのか?
・料理のレパートリーを増やすための基本的な考え方
・私がレパートリーを増やしたレシピの紹介

を中心にお伝えしてけたらと思います。

もちろん、ここでお伝えする以外の方法や、料理教室などに通うやり方もあるかと思いますが、独学で学び、暮らしながら磨き上げ、仕事にするまでに至ったからこそ、「たった今から料理を頑張りたい方」のお役に立てる内容になっていると思います!




なぜ料理のレパートリーは増えないのか?

結論から言うと、レパートリーを増やしたいのに、新たな技術や手法を学ぼうとしてしまうためです。

まず最初に忘れないでいてほしいことは、目的は「日常的に食べる料理のバリエーションを増やすこと」であり、「料理の技術を高める」や「未知の手法を取り入れる」ではないということ。

レパートリーを増やすには、手持ちのシンプルな手札をどう組み合わせて、いかに「自分好みのレシピをストックしていくか」が大切です。

洋服に例えるなら、「めったに着ない派手なドレス」ではなく、「普段着の着回しを増やすためのシンプルな服」をまずは選ぶということ。

そうしなければ、タンスの肥やしが増えるばかりで普段着の着回しは増えないですよね。

そして、そのシンプルな普段着のように、日常的に食べて食べ飽きない、自分の好みに合った「食材」や「調理法」や「味つけ」を見極めて組み合わせれば、そんなに複雑なことができなくてもレパートリーは増やせます。

つまり、レパートリーを増やすヒントは、自分の外にあるのではなく、「マンネリ化」するほど食べている、その料理の中にこそあるのです。

料理のレパートリーを増やす基本的な考え方

料理の「好き」を分析する

「レパートリー」=「普段着の着回し」であることがわかったら、まずは自分がどんな「食材」「調理法」「味つけ」を好んで食べているかを分析してみます。

服の着回しに例えるなら、「服の素材」「着こなし」「テイスト」でしょうか。

「コットンやリネンのような自然な風合いが好き」
「ぴったりして背筋が伸びる着こなしがいい」
「とにかく明るい元気の出る色が着たい」

と、服にもそれぞれ好みがあるように、

「かぼちゃや芋の甘みやほくほく感が好き」
「炒め物よりスープや煮物が好き」
「あっさり味よりスパイシーが好み」

といった、自分の料理の「好き」をこの3つの項目でどんどん書き出してみましょう。家族がいればみんなの好みを思い出したり、みんなでわいわい話し合ったりしながら。

「好き」を組み合わせる

とにかく思い浮かんだ「食材」「調理法」「味つけ」の好きをいくつか書いてみたら、今度はそれをバラバラにして組み合わせてみます。

このリストを例に考えてみると、普段は炒め物かお味噌汁に入れるくらいしか思い浮かばなかった食材の「椎茸」に調理法の「マリネ」、調味料の「マスタード」を組み合わせてみると、「しいたけのマスタードマリネ」ができそうです。

まずは難しく考えずにシンプルに1つの食材から考えてみると良いです。

次は、食材を2つに増やしてみて食材の「牡蠣」「セロリ」、調理法の「スープ」、味付けの「スパイスが効いてる」を組み合わせたら、「牡蠣とセロリのクミン風味のスープ」なんかができそう。牡蠣は出汁がでるので、具材をさっと煮て塩とクミンと白ワインだけで、きっと美味しいスープができます。

特別に難しいことや、手の込んだことをする必要はなくて、「茹でて味付けするだけ」「切って和えるだけ」でも立派な料理です。「シンプルな白シャツとデニム」みたいな料理でも自分に合っていれば立派なレパートリーです。

大切なのは「自分が好きかどうか」。

逆に、どんなにおしゃれで写真映えするレシピでも、手間がかかりすぎたり、自分好みでなければ作り続けられないのは、衝動買いしてすぐ着なくなってしまうワンピースと似てますよね。

こんな風に、自分が普段飽きるまで食べている料理を分解して、もう一度組み合わせれば、何度も何度も食べたくなる、自分だけの料理のレパートリーが増えていくのです。




私がレパートリーを増やした料理の紹介

私がこのやり方でレパートリーを増やしてレシピにした料理をいくつかご紹介します。

まずは、「茄子」と「浅漬け」と「ハーブが効いている」を組み合わせてみた「旬の秋茄子のミント浅漬け」。

それから、「里芋」「マッシュサラダ」「ブルーチーズ風味」を組み合わせた料理。

さっぱりとした酸味が好きなので、「秋刀魚」「南蛮漬け」「梅酢」を組み合わせた料理。

料理レパートリーのヒントは自分の中に

「料理が下手」「レパートリーが増えない」と悩んだり、不器用な自分にダメ出ししたくなる気持ちもよくわかります。

ですがまず、「料理上手になりたいな」と思う気持ちは、「美味しい手料理で健康に過ごしたい」「料理が上手くなって自信をつけたい」「大切な人にもっと美味しいご飯を食べてほしい」という、自分や誰かへの善意100%の優しさから出てきたものだということを忘れないでほしいです。

あれこれ悩んだり失敗するのも、良かれと思っての挑戦の結果。多少出来が悪くても減点せずに、出来た方のことをしっかり数えていくことも、料理の上達には大切なポイントです。

そして、料理のレパートリーはそんなに大層なことをしなくても、自分の中にあるものをちょっと観察して組み合わせるだけで十分豊に広がることも、もうお分かりいただけたかなと思います。

ちょっと普段と違う張り切った料理は、それから挑戦しても遅くはないのですし。

さて、今の自分と、今冷蔵庫にあるものでいくつレパートリーが増やせるか…楽しみながら、ぜひ試して見てくださいね!