「手前味噌」の作り方 自家製の手作り味噌のレシピ
RECIPE

「手前味噌」の作り方 自家製の手作り味噌のレシピ

味噌作りは「寒仕込み」といって、雑菌の繁殖しにくい冬場に仕込みを行うと美味しい味噌になると言われています。

使う材料は「大豆」「糀」「塩」の3つとシンプルで、工程もとても簡単です。そして、同じ材料を使っても、家ごとに違った味わいになるのが、発酵食品の面白いところ。まずは少量からでも作れるので、挑戦してみましょう!

このレシピは仕上がりの重量が約1.5kg、塩分濃度は12.5%です。

最後に、手作り味噌の味の決め手となるポイントも記載しているので、こだわりたい方はぜひ。




材 料

大豆
300g
500g
天然塩
180g

作り方

01|大豆を水に浸す

大豆はお米を研ぐように丁寧に水洗いしてから、分量の3倍の水に浸して18時間ほど置きます。

02|大豆がよく水を吸っているか確認

18時間水に浸した大豆は、こんなにも大きくなりました。半分に割ってみて、芯がなければ問題ありません。

03|大豆を煮る

浸していた水は捨て、新しい水を大豆がひたひたになる程度入れます。火にかけて煮たってきたら、火は弱火に。強火で大豆が踊る状態になると、大豆の皮がむけて煮崩れてしまいます。

水位が下がってきたら水を足しながら、アクを取り、3時間程度煮ていきます。

04|大豆の固さを確認する

3時間ほど大豆を煮たら、1粒取り出して手で潰してみて、簡単に潰れるようならOKです。
煮汁は後ほど使うので取っておいて、大豆をザルに引きあげます。
※余った煮汁は味噌汁にすると、甘くてとっても美味しいですよ!

05|糀と塩をすり混ぜる

大きめのボウルに糀と塩を入れて、塩が満遍なく糀にまぶるように、丁寧にすり混ぜます。

06|大豆を潰す

煮あがった大豆をポリ袋に入れて麺棒などで潰すか、フードプロセッサーなどで潰します。

07|大豆と糀を混ぜる

先ほど塩と混ぜておいた糀に、潰した大豆を混ぜ合わせます。このとき、手でまとめてしっかりまとまらないようなら、先ほどの煮汁を少しずつ加えて固さを調節します。

あまりたくさん入れるとカビの原因になるので、少しずつ。100ml以上足すようなら、100mlごとに塩を10g足すようにします。

08|味噌を団子にして容器に詰める

味噌の固さがちょうどよくなったら、手で団子状に固く丸めます。固く丸めるのは空気を抜き、カビを防ぐため。これを消毒したホーローなどの清潔な保存容器に、空気を抜きながら詰めていきます。

09|詰めた味噌の空気を抜く

容器に味噌を詰め終わったら、こぶしを突き込むようにして、上からもしっかりと押して空気を抜きます。

10|味噌にラップと重しをする

味噌を詰め終わったら、隙間が空かないようになるべくぴったりとラップで密閉して、上から味噌の半分程度の重しを乗せます。専用の重しがなければ、袋に詰めた米や塩など長く置いても問題ないもので。

11|10ヶ月から1年程度寝かせる

日の当たらない涼しい場所で寝かせて、10ヶ月から1年程度熟成させれば完成です。




手作り味噌の大豆選び

味噌作りに向いている大豆は「たんぱく質」が多い品種よりも、「糖質」が多い品種だと言われています。なので今回は糖質が多く甘味のある「とよまさり」という品種の大豆を選びました。

大豆以外にもひよこ豆や黒豆などでも大豆は作ることができるので、色々な豆を使って挑戦してみても。

手作り味噌の味の決め手は大豆と糀の割合

味噌は大豆が多いほど辛口に、糀が多いほど甘口の仕上がりになります。今回は「大豆3:糀5」の割合のレシピで、甘口と辛口の中間くらいの味わいです。

辛口が好みなら「大豆1:糀1」、甘口が好みなら「大豆1:糀2」くらいの割合になりますが、注意しなければならないのが塩分濃度

塩の分量は仕上がり分量の12.5%程度にする必要があるので、乾燥状態の重量ではなく、煮あがった状態の重量で計算する必要があります。

大豆は一般的に煮ると2~3倍程度に重量が増えると言われています。味噌の場合は乾燥重量の3倍の量を目安に計算するか、おおよその割合ですが、下記の割合から作りたい分量を計算してみてください。

【辛口味噌の割合の目安】仕上がり約1.35kg
大豆300g 糀300g 塩150g

【甘口味噌の割合の目安】仕上がり約1.7kg
大豆300g 糀600g 塩190g

※乾燥大豆300gを基準にした割合。

もしカビが生えてしまったら?

味噌にカビを生えさせないポイントは4つ。

  • 塩分濃度を下げない
  • ボウルや保存容器を消毒し清潔に
  • 味噌の表面を密閉する
  • 重しを乗せる

ですが、塩と糀の力で自然に熟成させるものなので、どうしてもカビが生えてしまうことがあります。

もし、熟成の途中で確認してカビが生えていたら、消毒した清潔なスプーンなどですくい取り、その部分に少し多めに塩を振ります。清潔なラップに変えてもう一度、ぴったりと密閉して重しをしましょう。

手作りの手前味噌を楽しもう

シンプルな材料と簡単な工程でできる味噌は、昔から「手前味噌」と言って各家庭ごとの味わいです。

毎年少量でも丁寧に仕込んで、自分の家だけの手前味噌を楽しんでみてくださいね。